ユニバーサルデザイン(Universal Design) できるだけ多くの人が利用可能に!

(2022年03月09日)

ユニバーサルデザイン(Universal Design)とは「年齢や能力、状況などにかかわらず、デザインの最初から、できるだけ多くの人が利用可能にすること」(Wikipedia)です。                 1980年代にアメリカのロナルド・メイス博士が中心となって提唱した考え方で、 日本でも1990年代頃から知られるようになりました。

【よく知られているバリアフリーとの違いは?】                               バリアフリー は、子どもや高齢者、障害のある人が使いづらいもの「バリア」を取り除くこと、        ユニバーサルデザインは、元からすべての人に使いやすいようにデザインすること、と言われています。

バリアフリーは、障害のある人やお年寄りにとって使いづらいものがあればなくしていきましょう、と言う考 え方です。 例えば段差があって車いすを使っている人が通りにくい通路に、スロープを後から付けるのはバリアフリーになります。
ユニバーサルデザインは、最初からみんなに使いやすいものを作ろう、と言う考 え方です。 はじめから段差がないと、障害のある人やお年寄りだけでなく、重い荷物を持っている人や、足をけがした人、ベビーカー利用の親子など誰にでも使いやすいものになります。

 

【ユニバーサルデザインの7つの原則】

使いやすい製品や環境とはどうあるべきかを具体的に示した「7つの原則」が定められています。

原則1 公平性   簡単に手に入り、誰でもいつでもどこでも使用できること
原則2 自由度   たとえば右利きの人でも左手の人でも思い通りに使えるなど、柔軟に使用できるもの
原則3 単純性   使い方がとても簡単であるもの
原則4 明確さ   使う人の知りたいことが、わかりやすく説明されているもの
原則5 安全性   仮に使用を間違えても重大な結果にならないもの
原則6 持続性   少ない労力で効率的に、体力のない人でも楽に使える
原則7 空間性   使う人の体の大きさや姿勢に関係なく、誰にでも使える大きさ、広さがあるもの

ユニバ―サルデザインの7原則は、デザイナーができるだけ多くの人の要求に応えられるようなデザインを目指す指針ととらえられています。

 

【住宅のユニバーサルデザインで言うと】

・階段の勾配を緩やかにして、要所に手すりをつける

・車いすが使えるトイレの広さにする  

・入り口の段差を無くし廊下とドアの幅を確保する

・滑りにくい床で入りやすい浴室 

階段をスロープにする

などが一般的に推奨されています。新築はもちろんですが、リフォームの際にはユニバーサルデザイン住宅にすることで、だれもが暮らしやすい住宅に改築することができます。

 

【身近にもあるユニバーサルデザイン】

ほかにも、身近な例として、牛乳パックの容器の上部には切り込みが入っていたり、缶ビールのふたの上には「おさけ」という点字があって、どちらも目の不自由な人が、他の飲料と区別できるようになっています。

電卓や電話の「5」にはポチっと小さな出っ張りがあります。5をガイドにブラインドタッチができます。

知らなければ気づかないのですが、バスルームのシャンプーの容器にはギザギザがついているのをご存じですか?ちなみにリンスにはありません。シャンプーとリンスが同じような容器でどっちだっけとなった時、手探りでギザギザを探しあてるとシャンプーです。これもユニバーサルデザインとしてメーカー共通の取り組みです。

ユニバーサルデザインは普段の暮らしの中にたくさんあります。どんな人にも使いやすくという暖かいまなざしが、「だれひとり取り残さない」というSDGsにもつながります。まずは暮らしやすい社会にしていこう、という私たちの意識が大切ですね。

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